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Vol.12 こどものとものこと

0才のころから定期便で毎月届く「こどものとも」の中には、息子にとって大切な絵本が何冊もあります。もちろん「こどものとも」以外にも好きな絵本はいくつもあります。そんな息子に新しい絵本を何冊か見せると、その中に紛れている薄い本にすばやく手が伸びます。薄い本(=こどものとも)は間違いないと経験から学んでいる息子。子どもにとって良いものしかお届けしないという「こどものとも」の凜とした姿勢は、信頼していいと親の私も感じています。

 

毎月送られてくる本の中には、本屋さんでは買わないだろう、図書館でもまさか借りないだろうという、自分の好みから大きくはずれたものもたくさんあります。それも実は醍醐味なのです。子どもは一度で気にいる絵本もありますが、何度か読んで慣れ親しんでから、じんわりと好きになる絵本のほうが多いのではないかと思います。見るものすべて新しく知らないものばかりに囲まれている子どもにとって、「慣れ」というのはとても大きなこと。1つの絵本を好きになるのに時間がかかるのも当然かもしれません。ちょっと苦手な本に息子が興味を示さないと、どこかほっとしますが、そんな絵本の中にも時間がたてば好きになる本はきっとあるはずです。「とても好きな本」というのはぜひみつけてほしい。その本との思い出とともに子どもも成長していく気がするからです。

だから「こどものとも」のように定期的に届く絵本に流れを委ねてしまうのもまたよしかな、と思っています。

 

月刊誌「こどものとも」のバックナンバーは、2年、3年と時間が経つにつれて本屋さんから姿を消していきます。図書館で借りることもできますが、子どもがその本を大好きになった場合、本屋さんを探しても「ない!」ということがよくあります。古本屋を巡って見つけ出したときには一人興奮してしまう、宝物のような本達です。70年代、80年代、90年代・・・絵本界の熱を感じる時代もあれば、落ち着き整って来ている時代のよさもあります。その一部はハードカバー化されて本屋に残りますが、それ以外の品切れとなっていく本の中にも、キラキラ輝く絵本はたくさん隠れています。

 

1年前に絵本屋を開いた時から、そんな埋もれていく「こどものとも」をずらりと、できるだけ表紙を見せて並べたいというのが夢でした。それが今回「こどものとも特集」としてやっと実現しました。古い本との再会や、新しい出会いがたくさんあればいいなと思っています。貴重な本も多いので、売れてしまったら悲しい本も実はたくさんあります。でもそれ以上に、ちぇすなっとでみつけた「こどものとも」が、誰かの家の宝物になることを願っています。

 

 

*今回のテーブル「こどものとも特集」は2021年4月17日(土)に終了しました。