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Vol.18 いいね

小さなお店に行った時、そのお店の人と会話しますか?

私たち夫婦は個人経営のお店に行っても、積極的に世間話をする方ではありませんでした。店の方が話しかけて来る気配を感じるとそそくさとその場を去る、どちらかというとはずかしがり屋の2人でした。そんな2人がお店を開くことになり、お客さんってこんなに話しかけてきてくれるんだと驚く日々を過ごしています。1年半たちましたが今だにです。

 

みなさん「素敵なお店ですね」とか「木の香りがしますね」とか、感想を言ってくれます。一言、二言、時には身の上話までして帰って行かれます。それがお店側にとっては、お客さんが想像している以上にとてもうれしいことなのだと気づきました。

 

それは個人でお店をやっていることも大きいのだと思います。私たちの場合は2人でお店を経営しているので、すべての選択は自分たちで行います。絵本屋として、コーヒー屋として、この手法でいいのか、独りよがりになっていないか、お客さんに受け入れてもらえているのか、それよりも想いをつらぬいたほうがいいのか、迷う事の連続です。迷うことしかありません。

 

だからちょっとした声かけがとても支えになるのです。

 

 

小さなことも大きなことも、一つ一つのお客さんの言葉が絵本屋としてどんなことを大切にしていくか、どう形作っていくかの判断をする時の支えになっています。気がつくと私たちも小さなお店に入った時にお店の方に話しかけることが増えてきました。一度会話をしてみるととても気持のよいことでした。これが好きだということを伝えることが、その人たちのモチベーションとなり、さらによいものが生まれるということがわかってきたので、好きな商品を扱っているお店などは特に積極的に話します。ネットで買った時にでさえ、心からいいなと思った時にはメッセージなどで伝えるようにまでに変化しました。

 

「いいね」が四方八方飛び交う世の中。SNSの「いいね」はとてもうれしい反面、時々飲み込まれそうになってしまうこともあります。それはそれとして、そんな今だからこそ、言葉で直接伝える「いいですね」は、より強く届くような気がするのです。