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数字に飲み込まれないように

ちぇすなっとは夫婦で営んでいるお店です。

お店を維持するために、たくさんのやることがあります。予想外のタスクと対峙するたびに、2人でよかったと思うこともしばしばです。一人の人間にはどうしても得意不得意があって、私たちは得意分野も考え方も違う2人なので、何かを決める際にも、何かを進める際にも、それぞれの意見や得意なことを引っ張り出しながらやっていけているのではないかと思っています。

 

特に「発信」に関してはだいぶ役割が分担されてきました。

私は携帯電話をぎりぎりまで持たなかった、アナログ大好き人間です。ガラケーからやっとスマホになった今でも、スマホは必需品ではなく、「今日は持っていく?どうする?」と自問自答してから家を出ます。反対に、旦那さんはいつもスマホで何やら楽しそうにしている、スマホ大好きな人です。新しい機種が発売されると「これ最近出てきて、気になってんねん〜」とうれしそうにしています。

ちぇすなっとではSNS(インスタグラムとフェイスブック)とHPを使用してお店の情報を発信しています。当初は明確に役割は決めていませんでしたが、いつのまにかSNSでの発信は旦那さんが、ブログを含むHP作成は私がやるように役割分担がはっきりしてきました。SNSは発信だけでなく、メッセージが届くこともあるので、常にチェックしていないといけません。私は常に手元にスマホという状況がとてもストレスになるタイプで、旦那さんは常にチェックしたいタイプ。役割分担はまちがっていなかったと感じています。そしてインスタグラムは「いいね」の数が表示されたり、フォロワーさんが減ったり増えたり、気づいたら私のほうが一喜一憂をしていました。振り回されず、飲み込まれず、淡々と、楽しく利用するのがSNSの上手な使い方なのでしょうが、なかなか冷静ではいられないなというのも正直なところです。いつもSNSをチェックしている旦那さんのほうが、そこまで一喜一憂せず、冷静に付き合っているということもわかりました。そういう意味でも適任というべきなのでしょう。

対して私はデザイン的に物事を考えるのが好きなので、HPをブロックのように組み立てて、作り上げるという作業に比較的向いていることがわかりました。ブログのような文章を書くのも好きだし、なによりどこからも「いいね」と言われない静かな場でただただ発信するほうが向いているというのも感じました。反応がないことはちょっとさみしいなとも感じるのですが、幸い実店舗もありますので、お客さんが直接「ブログ読んでいます」と言ってくれたりして、それがとても励みになっています。なんだ、やっぱり反応があったほうがいいんじゃないかというと、ややこしいことにそうではないのです。反応がすぐにわからないからこそ、冷静に綴ることのできるブログの良さというものを確かに実感しています。

 

そんな中、この秋には絵本と少し離れた内容で、純粋に子どものことを綴りたいと思い、個人のインスタグラムを始めました。子どもについてはついつい客観性をなくしてしまうので、反応が見えるのはインスタグラムのおもしろさだと改めて感じています。一方で、気に入ってもらえる内容、自分ではおもしろいと思ったけど、反応の薄いものが見えてしまうことで、表現する内容がわずかに影響を受け、当初綴りたかった内容よりシフトして来ているのではとも感じています。それがよいことなのかどうなのか。誰かに聞いてもらいたいから綴るけれど、どこかで反応を気にしながら綴ることは、本当に自分の言いたいことなのか。反応を想像しながら綴ることで、伝え方は洗礼されていくだろうからいいのではないか…。半年経った今、戸惑い、答えはまだ見えませんが、インスタグラムで綴ることが子育てを客観的にみるきっかけとなっていることは確かだと感じています。